甲子園を見学に訪れた新助っ人・ホッジスが、聖地にいきなり稼動
『伝統があるし、外の球場の方が好きなんだ。それに、投手のための球場なんで好都合だよ』
投手のための球場。26歳の右腕は『大きく見えるね。それに短い部分がない』と、さらに言葉を続けた。左右非対称など、特徴が多い米国の球場と違い、左、右中間とも均等に広い甲子園。昨年メジャー52試合に登板した男の目には、心強く映った。『一発が減る? それはよくわからないけど。勝てるようにやるだけ。ビッグイニングを作らないようにね』。ゲームを作る先発タイプ。多彩な変化球を低めに集める右腕にとって、格好の本拠地。
来日2日目。岡田監督から『休んでいい』の指示も出ていたが、『少しずつ環境に慣れて、2、3日で体を戻したい』と、午前中に鳴尾浜を訪れ、二軍残留組にあいさつ。ランニングの後、キャッチボールではカーブ、スライダー、シンカー、チェンジアップの全球種を試し
、『キャッチボールではいつも感覚をつかむためにやっているんだ』と心地よい汗をぬぐった。
191センチの長身と、ダイナミックなフォーム。相手役の河島通訳も捕球に苦しんだムービングボールに、オマリー駐米スカウトらと付き添った三宅編成部課長は『球がよく動く。兄(ケビン=元ヤクルト)に似ている? フォームは似ているけど、球はもっと重いよ』と、太鼓判。
『明日も今日のような感じで。ちょっと、マウンドの上で投げてみたいと思う』。5日には、さっそくブルペンに入る予定。後半戦の切り札となる先発右腕が、徐々にエンジンをふかしていく。